短編プログラム1(69分/8作品)

「場と幻想」あの場所で

それは、誰も行ったことがない。だからこそ、誰もが知っている場所だ。そこは、例えば彼の隣、例えば夢見ていたロマン、例えば近いのにたどり着けないところ、例えば想像の中にだけあるところ。誰の心の中にもある、「ある場所」の物語である。


「Here Winter」
여기의 겨울
2017/06:23/イ・ギュテ 이규태
Drawing, 2D

凍てつく「ここ」の冬を離れて、暖かな場所へと行きたかった。ふわりと旅立ってみたが、「そこ」もまた、やはり凍てつく冬のようだ。痛みの果てを過ぎ、帰ってきた「ここ」の冬で、ぬくもりに出会う。

Director's note
痛みの果てを過ぎ、帰ってきた「ここ」の冬で、ぬくもりに出会う。
インディ・アニフェスト2017大賞
トレーラーはこちら 


「ミセス・ロマンス」
Mrs. Romance
2017/07:20/ハン・ビョンア 한병아
2D

ソウルの敦岩(トンアム)洞に住むおばさんのクッキに、春雨が降った。そして彼女は考えた。誰かの言葉のとおり、夢を見ることは、夢を叶えるよりも大切なことなのかもしれない。

Director's note
私たちには、「ロマンス婦人」が必要だ。


「華麗なる外出」
화려한 외출 / A Grand Day Out
2017/10:00/アン・ヒョンヘ 안형혜
Drawing

テレビの発する光だけが、唯一の灯りである真っ暗な部屋。女は水を飲み排泄し、CMの音楽に合わせて姿を変えていく。外出のため化粧を始めた女は、鏡の中で自分の欲望と向き合う。

Director's note
社会が美の基準とする、顔や学歴や品性などの社会的条件。これらを満たさなければ、社会で生き残るのは難しい。他人の基準によって、私の欲望は操作され点検される。結局「私」という主体は消え、他人の価値や世界観が「私」に寄生する。自分のものでも他人のものでもない、奇形的な混種の欲求に支配され苦しめられていく、そんな人間の生きようを表現したかった。
インディ・アニフェスト2017 KIAFA特別賞


「公園で会いましょう」
공원에서 만나요 / At the Park
2017/04:31/チェ・ミヘ 최미혜
2D

「私」は、高層ビル、大型ショッピングセンター、アパート団地を通って、道路沿いの小さな公園にたどり着く。そこでは、人々は各自の日常や役割から脱して、それぞれの方法で休息を取っている。そこでの人々との対話の内側には、彼らの関係、生活、感情が隠されている。

Director's note
潤いのない都市生活に、共感することの温もりを加えられるような、作品を作りたかった。アニメ―ションというジャンルも、そんなコンテンツとして十分に魅力的だと示してみたかった。


「花咲く手紙」
꽃피는 편지 / A Letter that Blooms Flowers
2016/11:00/カン・ヒジン 강희진
2D

脱北した20代の女性2人が韓国に定着していく姿を描いた、ドキュメンタリー・アニメーション。

Director's note
韓国に定着していく中で生じる出来事への、20代の女性たちの視線を表現したかった。


「無人都」
무인도 / Hollow Town
2016/03:15/チョ・ミンジ 조민지
2D

家庭内暴力で母が死に、娘は罪悪感にさいなまれる。深いため息をついたその瞬間、あれほど戻りたかった過去へと時間は戻るが、結局何も変えられぬまま、疲弊するのみだ。

Director's note
娘が暮らす町にはたくさんの人々が住んでいるが、誰かが死に直面し、切迫した叫びをあげても、それを聞いて助けようとする人はいない。互いにとって、この町は無人島(無人都)と同じである。


「パシャッパシャッ」
찰칵 찰칵 / Snap Shot Memory
2017/06:17/キム・ヘミ 김혜미
2D, 3D

父は娘の誕生日を祝うため、娘のいるソウルへとやってくる。娘は父親と過ごす時間に居心地の悪さを感じていたが、ふと昔の思い出がよみがえる。

Director's note
成長した娘と父親が、一緒に一日を過ごす物語を作ってみたかった。


「かかしの島」
허수아비 섬 / Scarecrow Island
2017/18:40/パク・ヘミ 박혜미
2D

人類史上最大の核爆発の後、陸地はもはや、人類の暮らせる場所ではなくなった。陸の怪物を”掃除”するパイロットの主人公は、単独での初任務を終え帰港する途中、青い島を発見する。

Director's note
人間は孤独に弱い動物だ。日本に実際にある「かかし村」をモチーフに、SFアニメ―ションとして作ってみた。人間性があるとは思えないディストピアの世界で、主人公がどのように変化していくか、表現してみたかった。