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インディ・アニフェスト2021審査評

コロナ禍の中、2021年9月9日(木)~14日(火)花コリ親元「インディ・アニフェスト2021」が韓国のソウルでイベントを縮小したり、席数を減らしたり、オンライン上映をしたりと、厳重な新型コロナウィルス感染防止対策をしながら、開幕し、無事に終了しました。

韓国コンペティション部門の本選審査委員はキム・ヒョヨン(韓国アニメーション学会会長)、トン・ミノ(作曲家・音楽監督)、ラ・ジョンイン(花コリ2020『ヨンスク』監督)、イ・ユンジン(プロデューサー)、チョン・スンイル(アニメーション監督)の5人。

一般部門・学生部門審査総評

2005年初開催の映画祭を皮切りに、いつのまにか17回を迎えたインディ・アニフェストは、現在アジアを代表する名実共に国際的な規模のインディーズ・アニメーション映画祭に成長し、今年の作品公募には290作の応募があり、71作品が上映されました。自分の主題意識と芸術的感性を盛り込んだ、さまざまな部門のすべての上映作品は、インディ・アニフェストで互いに競い合ったり優劣の順位を選んだりするのではなく、境界を越え、各々が友達と出会い一緒に楽しむ祭りの主役です。

インディ・アニフェストは、今後もインディーズ・アニメーションの心強い支えとなり、難しい制作条件の中でも屈せず誕生するすべての美しい作品を支持し、応援します。 そして映画的・芸術的完成度と大衆的共感を考慮し、各部門の受賞作に選ばれた監督の方々に、特にお祝いの言葉を述べたいと思います。おめでとうございます。

■大賞

木 / Namoo / 나무』 エリック・オー Erick OH 

彼は幼い頃に絵と恋に落ち、成長し、他の人と恋に落ちる。 永遠なものはなく、結局、失意に陥った彼は前に進むために文字通り、自分の過去に包帯を巻き、心は未来に置く。

審査評

この作品はアニメらしいアニメと言えます。 別の言い方で言えば、アニメーションの美的表現とテクニック的な要素がよく調和した美しい作品と言えます。しかし、アニメーションを分析すると、作品のすべての属性を把握するのは難しいです。 この作品は人生に投じようとする哲学的なメッセージ、人間本来の暖かさに対するメタファー、そのようなものに共感しながらも、何か形言できない感じを投じてくれました。
*花コリ2011「Heart」、花コリ2013「リンゴの食べ方」、花コリ2015「GUNTHER」

■一般部門優秀賞

『ボリよ / 보리야 / Boriya』 ミン・ソンア MIN Sung-ah

7歳のポリは、田舎での変化のない日常が退屈だっだ。 農繁期のためみなが忙しく働く中、一人だけ暇を持て余す。一緒に遊ぶ友達が必要なポリには、人生は思い通りにはならない。

審査評

2021インディ・アニフェスト独立歩行部門(一般部門)の上映作は4つのセクションで計38作あり、今年の独立歩行賞受賞候補作としては6作が推奨されました。 この中で独立歩行賞受賞作は17分という分量の長尺に田舎町の田園風景の、完成度が高い抜群の背景アートワークと、一匹の牛と少女の日々を美しく淡々と表現した作品が審査委員に最も多く支持されました。なお、作品のナレーションは私たち特有の方言録音バージョンも期待してみます。
*Link into Animated Korea2009「飯食うべ」、花コリ2010「アザー・シーズン」、花コリ2015「Peace Dream」

■学生部門優秀賞

『痕跡 / 연흔 / RIPPLE』 オ・セミ 오세미 OH Se-mi

旅をしながら絵を集める子ども。 砂漠の中で廃墟となった村を見つけ、そこで犬の落書きを発見する。 落書きを追いかけて村のあちこちを歩き回った子ども、はある瞬間幻想に陥り、幻想の中でありし日の村の姿を見る。

審査評

私たちが観客として、そしてアニメーション創作者として初めてアニメーションに陥ったきっかけは、おそらく動きに魅了された瞬間でしょう。 この作品は、流麗なアニメーションで、廃墟となり、忘れられた都市に観客を招き入れます。 忘れられた空間、止まってしまった時間と記憶が蘇り、生き生きと動く幻想的なシーンは、「命を与え、生きているように動かす」アニメーションの本質そのものです。 興亡盛衰を目にしても淡々とした主人公の態度が余韻を残し、監督の次の作品を期待させます。

■審査委員特別賞

『プレイグラウンド / The Playground / 더 플레이그라운드』 
イ・ナユン 이나윤 Grace Nayoon RHEE 

少女の遊び場で発見された少年。 少女のリードで始まった遊びは、次第に少年の遊びに変わり、少女は、もはや自分の遊び場が以前と同じではないことに気づく。

審査評

審査委員が最も悩み議論した部門です。 それだけ良い作品が多かったという反証でしょう。この作品は多くのアニメーション技法をまんべんなく仕上げて使用し、またその技法の間に散りばめられた異質感が感じられないストーリーテリングと編集も良かったです。 難解だがはっきりとしたテーマを活用して全体的な統一感を着実に与え、サウンドと音楽も作品の完成度に大きな貢献をしたことが垣間見えました。
*花コリ2010「view」、花コリ2017「Insect Bite」

■デビュー賞

『Stereotype / 스테레오 타입』 
ペク・ナヒョン、ペク・ダヒョン 백나현, 백다현 BEAK Nahyun, BEAK Dahyun 

休戦中においても高まり続ける葛藤を扱った短編アニメーション。

審査評

この作品を通して、アニメーションの明るい未来を垣間見ました。 アニメーションのさまざまな要素が水の流れのように自然に表現され、組み合わさり、最初から最後まで没入感を逃さないようにしています。 視覚的にも明確なテーマ意識を見せているという点も印象的でした。 デビュー賞は、ともすると社会での最初の足跡と言えます。 これをきっかけに、今後、より大きな飛躍を期待します。

■KAFA特別賞

『ドキドキ / 울렁울렁 / OolangOolang』 チョ・イェスル 조예슬 JO Yeseul 

絶望的に自尊心の低い少女が学校の希望へと生まれ変わり、生徒会長選挙に出馬する。

審査評

自尊心の底にいる一人の少女の八つ当たり、愉快溌剌な成長談で、コロナブルーと社会的距離を取ることが内在化された世の中に、人と人との間に天真爛漫な魅力を遺憾なく発揮する主人公と、終始一貫伝わる愉快な笑いたちは審査員全員を魅了させるのに十分でした。奇抜な想像力と、大衆との息が合うと分かっている監督の才能に、次の作品を嬉しい思いで期待し、ドキドキしながら応援します。
*花コリ2017「みんなのゲーム」

■音楽・サウンド特別賞

『RED TABLE』音楽監督:鳥羽山沙紀 Music Director: Tobayama SAKI

両目をサングラスで隠した少年がゆっくりと赤いテーブルに足を運ぶ。そのテーブルには誰かによっておもちゃのレールがセッティングされていて、少年はおもちゃの汽車をレールに置いてスイッチを入れる。おもちゃの汽車がレールの上を走ると遊戯が始まる。

審査評

多くの良い作品を体験できて幸せな時間でした。 作品が輝くように音楽は一生懸命サポートする役割です。それとともにに、監督の意図を100%理解して反映できるようにしなければなりません。そうはいっても無条件にサブの役割をすることはできません。

そのため、作曲者は自分の音楽と作品の意図の間でいつも悩み、対立しています。 その2つを満たした瞬間、作品の完成度を200%に引き上げられるシナジーが生成されます。そんな苦悩の時間を乗り越えた多くの音楽監督の方々に大きな拍手を送ります。
*花コリ2014「MAZE KING」、花コリ2017「Jungle Taxi」

■KIAFA特別賞

『乾電池パパ / 건전지 아빠 / BATTERY DADDY』 
チョン・スンベ 전승배 JEON Seung-bae

乾電池パパは、子どもたちのおもちゃや、リモコン、ドアロックなど、家の隅々で活躍している。そんなある日、乾電池パパは人間と一緒に渓谷へ旅行に行く。せっかくの楽しい時間を過ごしている最中、突然の大雨で渓谷があふれ、みんなが孤立してしまう。 乾電池パパは、人々が安全に救助されるよう懐中電灯の中から全力で明かりを灯すが、雨は止まず、電池切れの危機が迫る……。

審査評

美術、音楽、文学など、さまざまなジャンルが調和をとらなければならない制作の特性、監督の世界観を通じて単調な日常に衝撃を与えるジャンル的な特徴もあるが、何よりもインディーズ・アニメーションの魅力は止まっているものに生命力を与えることで作られる幻想的な瞬間。この瞬間を通して、観客は自分を離れ、他人になったり物体になったり、世界に変形する超現実的な経験をするようになります。そして監督は、最初に感じたこれらの刹那の感覚に魅了され、アニメーションの創作を始め、作り続けます。この作品の監督は、小さな物体に強靭な生命力を吹き込みました。冷たかった「これ」は暖かい呼吸をする存在となり、さまざまな姿で私たちを照らします。小さいながらも硬い「これ」は今の自分の姿になったり、未来の自分を思い浮かべたりして、昔の自分と家族に会わせてくれました。こんなに可愛くて切ない電池を使って、私たちは大切な家族を思い出し、懐かしく、心温まる充電を受けました。KIAFA特別賞受賞作であるこの作品は、監督の人生に対する暖かい視線と、アニメーションに対する愛情でいっぱいです。私たちは週末の暖かい爽やかさを満喫できました。私たちの日常の温度と体音を感覚できる監督の、次の作品をすでに期待しています。受賞おめでとうございます。
*花コリ2016「2人の少年の時間」、花コリ2017「行ってきます」、花コリ2019東京ゲスト「土曜日の多世帯住宅」

■観客審査団賞

カラスが持ち去った/ 까마귀가 물어갔어 / The Crow Took It.』  
チョン・ハラ 정하라 JEONG Ha-ra

放課後の掃除の時間のたび、他の友達の机をこっそりのぞき見して時間を過ごしていたジェスは、ある日、いつも完璧だと思っていたウォンジェがうっかり落としたネックレスを見つけ、嘘をついてしまう。

審査評

この作品は、子供の頃に、あるいは今も依然として持っている気まずく恥ずかしい感情を感覚的な演出と淡々としたナレーションで表現した作品です。 観客たちは作品を通じ、各自が持っている劣等感の形態がどのように表現されたのかを振り返り、「皆そうだった」という共感を形成できるようになります。流れるようなストーリーテリングと演出で、一時も目を離せなかった作品に観客審査団賞を授与します。


■観客賞

ドキドキ / 울렁울렁 / OolangOolang』 チョ・イェスル 조예슬 JO Yeseul 

WEB部門総評

審査の前に、私たち審査員は「LAN線」という広い範囲の定義が必要でした。オンラインで触れるデジタルアニメコンテンツは、アニメというテクニックの下、「コマーシャル」、「ブランディング」、「ミュージックビデオ」、「ナラティブコンテンツ」など多様な方法で消費されていたからです。ノミネートされた審査作は、やはりデジタルコンテンツらしく色々な種類の作品でした。この中で私たちはIPとして価値を持つデジタルコンテンツに集中して審査作を見ました。YouTubeは、新しいエコシステムのためにショートフォームであるにもかかわらず、物語と世界観を持つアニメコンテンツに触れることができる時期が到来し、さらに多くのOTT (Over The Top) 動画プラットフォームの登場で、ストーリーのあるアニメコンテンツも新たな可能性を垣間見ることができる鼓舞的な時期でもあるためです。その点で、LAN線飛行作品の審査基準は以下の通りでした。プラットフォームの適合性、世界観の拡張性、シリーズとしての可能性でした。

LAN線飛行賞(WEB部門優秀賞)

『視聴率の女王 / 시청률의 여왕 / Queen of Ratings』 
チェ・ジヒ 최지희 CHOI Jeehee

2分余りの短い呼吸の尺の中に明確な物語構造を見せながら話を展開し、ジャンルとコードのコンセプトが明確で、伝えたいという楽しさをよく伝えており、一本の構造がシリーズで作動して明確なフォーマットを見せてくれたので、デジタルシリーズのアニメコンテンツの可能性を垣間見ることができる作品でした。

■観客賞 

『20歳先生レポート / 이십세 썸 보고서 / 20-year-old Romantic Chemistry』 
ペク・スミン 백수민 BEAK Su-min

アジアコンペティション部門審査評

アジア路部門は3人の審査委員が計39本の作品を見て3本の受賞作を決定しました。 商業的で慣習的な作品ではなく、個性的で独創的な作家精神を支持するインディ・アニフェストの趣旨に合わせて、審査委員はアニメーション作家の独創性と創造力を重要な審査の基準としました。職人の手味が感じられる手作りアニメーションの美しさを楽しむことができましたし、時には少し、時々深刻な感動を感じることができました。 このような楽しさと感動を享受できるようにしてくださった、すべてのアジアの監督の方々とインディ・アニフェストに感謝します。

アジアコンペ部門の本選審査委員はキム・ヨンドク(BIFANプログラマー)、パク・ジェオク(花コリ2014東京ゲスト『2人の紳士』監督)、ソ・ヨンジュ(アニメーション作家)の3人。

■アジア部門大賞

『ぼくらは不毛な爆弾だったWe Were a Sterile Bomb』
 ドタン・モレノ Dotan MORENO / イスラエル

この作品は、1997年、イスラエル南部の小さな町に暮らす、21歳の青年アヴィの成長の物語である。孤独で内向的なアヴィは、街を彷徨う。同じ年頃の青年との出会いは、彼の無感覚な世界を揺るがしていく。

審査評

無力な日常の中で愛に目覚める一人の男の物語を簡潔なラインと澄んだ色感、非言語的なサウンドと音楽で描いた詩的でスタイリッシュなアニメーション。 セリフの代わりに出てくるユダヤ式の暗唱が宗教的レイヤーに敷かれ、ずっと重力を与えているこの作品を大賞に選びました。 

■アジア路賞 

蜉蝣日記 / Dayfly』 易宝星辰 Baoxingchen YI / 中国

蜉蝣は0時に生まれ、翌日の0時に死ぬ。 蜉蝣は短い一日の間に、不注意にも多くの人々の生活の中を通り過ぎる。

審査評

2D、3D、ストップモーション、カットアウトなど、さまざまなアニメーション技法がますます発展し洗練されている今、この時代に、「どんなアニメーションを受賞作に選定するのか?」という問題はますます難しいことになっています。アジアコンペ部門ではとても素晴らしい完成度の高い作品がたくさんありました。そのため、やや醜く見える完成度と出来映えを持った、この作品を受賞作に選定することに決めたのは簡単な問題ではありませんでした。 それにもかかわらず、この作品を見ていると、監督の情熱とエネルギーがアニメ化され、飛躍を感じることができます。 アニメーションのより根本的な部分まで、その旅は止まりません。 監督が持つ感性と洞察、エネルギーに期待をかけ、この作品を受賞作に選定することになりました。

■アジア部門審査委員特別賞

『夜行バス / Night Bus / 夜车』 谢文明Joe HSIEH / 台湾

深夜の通勤バスの中で、ネックレスが盗まれた。その後、悲惨な交通事故が発生。すると愛、憎しみ、復讐心などが連鎖するように暴露される。バスが炎上し、海岸の暗い空に燃えて輝くとき、それは頂点に達する。

審査評

この作品は密度の高い絵柄と緊張感のある演出が際立つ作品です。神秘的な夜の風光の中で繰り広げられるこの奇妙な話は、様式化されたスタイルと展開のために幻想的な騒動劇やブラックコメディのように感じられることもあります。しかし、サスペンス犯罪ジャンルの枠組みで巻線徴悪に帰結するように見える表皮を脱いだ後、資本中心的な構造の下で効率と機能だけが強調される人間関係と思わぬ残酷さ、そしてそのそばにいつも虐待されている人生の皮肉と濃い死の影が目立ちました。

■観客賞

『骨嚙み/A Bite of Bone』 矢野ほなみ / 日本

父親の葬式で、少女は父と過ごした最後の夏を思い出す。 日本のとあるちいさな島でのいとなみ。

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